青森市内で25、26日に開かれる「東北六魂祭」(同祭実行委員会主催)のパレードに、八戸市から八戸三社大祭の長横町粋組が特別参加する。同組では連日、山車制作やお囃子(はやし)の練習に熱が入り、本番に向けてムードが高まっている。26日は、三社大祭に参加する全27山車組の関係者が山車を一緒に引っ張る予定で、関係者が一丸となって、震災からの復興と八戸の祭りを広く発信する。
青森市の国道7号や同4号で繰り広げられるパレードには、東北6県を代表する祭りが集合。三社大祭は2日間とも行列の先陣を切る。八戸市南類家に山車小屋を構える長横町粋組では、参加が決まった3月末から、制作が急ピッチで進む。約10人が連日深夜まで作業に当たっている。山車は、大漁と豊作を喜ぶ神々と活気にあふれるハマの様子を表現。側面に他の山車組のちょうちんを掲げ、一体感を表す。菅原鉄也代表(37)は「山車を引く制作者や子どもたちの元気な姿を通じて、震災から立ち直った八戸をアピールしたい」と力を込める。行列を盛り上げるお囃子も、本番に向けた最終調整が続く。子どもら約20人が19日、同市の「はっち」で小太鼓や大太鼓、笛の練習に臨み、太鼓のたたき方やリズムを入念に確認した。
小太鼓の高田美翔さん(12)=八戸一中1年=は「たたく方も見る人も、楽しくなるような演奏をしたい」と意気込む。笛を担当する中居美咲さん(24)は「例年より早く『夏が来た』という気持ち。規模が大きく観客も多いと思うが、本番を楽しみに迎えたい」と心待ちにしている。東北六魂祭は、東北6県の県庁所在地の代表的な夏祭りを一堂に集めたイベント。震災復興の一環で、2011年に始まった。