柴崎
鹿島アントラーズ
世界2位
ピコ太郎
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世界で2位
世界一を争う舞台で、鹿島の柴崎岳(がく)選手(24)=野辺地町出身、青森山田出=がひときわ輝きを放った。18日夜、横浜市で行われたサッカークラブワールドカップ(W杯)決勝。チームは欧州王者のレアル・マドリード(スペイン)に延長の末に屈したものの、一人で2点を決める活躍で、背番号10の名を世界にとどろかせた。「よくやった」「もっと成長して」。地元や親、恩師たちからはねぎらいの声が上がった。
柴崎選手の故郷・野辺地町の中央公民館では決戦に合わせパブリックビューイングが開かれ、町民ら約100人が熱い声援を送った。前半終了間際に柴崎選手がシュートを決めると大歓声。後半に2点目のゴールを挙げてリードを奪うと「勝てる、勝てる」と声が相次ぎ、会場の盛り上がりは最高潮に達した。
しかしその後は同点に追いつかれると、奮闘及ばず延長の末に惜敗。それでも終了後には惜しみない拍手が会場から送られた。同町のサッカースポーツ少年団員の米内山怜大君(野辺地小1年)は「憧れの岳選手が点を決めたのでうれしかった」と大喜び。中谷純逸町長(67)も「町の宝である岳にはもっと成長してほしい」と願った。
現地のスタジアムで必死の声援を送った母美佐子さん(54)は「今年は日本代表にも選ばれず、岳にとって悔しい1年だったに違いない。満足せず、さらに上を目指してほしい」と期待を込めて話した。
「彼は自分に厳しい人間。おそらく決勝の感想を聞けば『勝たなきゃ意味がない』という答えが返ってくるだろう」と話すのは、高校時代に柴崎選手の指導に当たった青森山田高の黒田剛監督(46)。注目される海外移籍については「本人はもちろん視野に入れていると思うし、今回の戦いでおそらく『やれる』という手応えを感じたのでは」と教え子の胸中を推し量った。
青森山田高は前日、高円宮杯U-18プレミアリーグで日本一に。2日続きの喜びに、恩師は「感無量の思い」としみじみ語った。鹿島のユース監督で、柴崎選手のスカウトに尽力した熊谷浩二さん(41)=十和田市出身=は、2点目のゴールが強く印象に残ったと指摘。「相手をかわして決めたミドルシュートは、まさにセンスのたまもの」と評価した。「彼は世界でのプレーを目標にしているだけに、今回のプレーはサッカー人生の大きな分岐点になるはず」と振り返った