<IGF27日・青森大会>東日本大震災復興チャリティーイベントとして行われた東北8連戦は27日、最終戦を迎えた。IGF総帥・アントニオ猪木(71)もシリーズの合間を縫って被災地の仮設住宅を訪問するなど精力的に活動。「時間がたてば震災が風化されてしまう。次に向けてというのも大事だけど、まだ立ち直れない人もいる。復興は遅れている」と、継続的な支援の必要性を説いた。また猪木は8月30、31日に北朝鮮で開催するイベントについては「世界のプロレスというものを」と、外国人選手も多数起用する可能性をほのめかした。
IGF27日の青森大会で行われた暴走王・小川直也(46)と破壊王子・橋本大地(22)の初対決は、まさかのノーコンタクトに終わった。1997年4月に小川が大地の父、故橋本真也さんとのプロレスデビュー戦に臨んでから約17年。ライバルにして盟友の息子と禁断の初対決がIGFマットで実現した。小川は高岩竜一と、大地は将軍岡本と組んでタッグ戦で激突した。両雄が先発を買って出たが、小川は大地の闘志をすかすように一切触れないまま即座に高岩とタッチ。その後も高岩が大地を羽交い締めにした状態にもかかわらず「やらねーよ」と、攻撃を加えることすらしようとしない。無視し続けたまま岡本に照準を合わせるとSTOを発射。何と大地とは肌も触れることなく、試合を終わらせてしまった…。
この小川の態度に大地は激高。もともと大地にとって小川は、父を一時引退に追い込んだ怨敵のイメージが強かった。「分かってるはずだよ、俺、どんな気持ちか。めんどくせえのか、こんな弱いヤツとはやれないのか? 逃げてるようにしか見えない」と糾弾し、再度対戦の場を求めた。しかし小川は意に介さない。「俺とやるのにふさわしくないってこと。勝手に(カードが)組まれたと思うけど、組んだらやると思ってるのが大間違い。アイツの力不足でお客さんに対戦を見せられなかった」父・真也さんと数々の死闘を繰り広げてきただけに「全てにおいて比にならない。比べちゃいけないレベル」と、相手にする資格なしと切り捨てた。大地にとっては屈辱でしかないだろうが、接触もないまま遺恨が深まるケースも珍しい。禁断の抗争は予想もつかない方向へ転がり始めた。