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「人気作家の恩田陸(おんだりく)さんが青森市生まれだったとは…」。第156回直木賞(日本文学振興会主催)に恩田さんの「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)が決まって一夜明けた20日、東奥日報紙朝刊などの報道を通じて恩田さんの出生地が青森市だと知った同市の文学・図書関係者から驚きと喜びの声が上がった。同市の県立図書館は急きょ、所蔵する恩田作品を集めて展示コーナーを設置。市内の書店では受賞を知らせるポップ広告を立てるなど祝福ムードが広がった。「蜜蜂と遠雷」巻末の略歴に宮城県生まれと表記するなど、仙台市出身として知られてきた恩田さん。実は父親の転勤先であった青森市で1964年に生まれ、66年ごろ名古屋市に引っ越した。その後、高校時代にかけて長野県松本市、富山県、秋田県、仙台市、水戸市に住んでいたことがある。「(青森県に縁のある作家として)ノーマークでした。青森市生まれと知ってうれしい」と喜ぶのは県近代文学館の西谷ともえ副室長。「青森県で生まれた直木賞作家は今官一氏、長部日出雄氏に次いで3人目。恩田さんはとても多作な方。これから作品を読み直し、顕彰していくべき作家の一人だと考えます」と語った。県立図書館は20日、参考・郷土室の一角に恩田さんの展示コーナーを設けた。「蜜蜂と遠雷」は貸し出し中だが、同館は約65タイトルの恩田作品を所蔵しており、この半数の著作をコーナーに並べた。同館司書の棟方維大(つなひろ)さんは「青森市生まれということが突然出てきたのでびっくりした。今後、ぜひ青森を舞台にした作品を書いてもらいたい」と話した。市民図書館も近く展示コーナーを設置する予定。一方、成田本店しんまち店では同日、店頭の目立つ場所に「蜜蜂と遠雷」を並べ、直木賞受賞を知らせるポップ広告を立てた。同店によると、受賞作は20~40歳代の女性を中心に昨年9月の入荷以来、順調に売れているという。在庫が完売しそうなため、20日までに追加発注したほか、恩田さんの別の作品も発注し、入荷を待って特設コーナーを作る予定。長谷川達雄副店長は「恩田さんが青森市生まれとは知らなかったが、地元にゆかりのある人が直木賞に決まったのは喜ばしい。受賞作が2017年本屋大賞にもノミネートされているので、ぜひ直木賞とのダブル受賞を」と期待を込めた。戸田書店青森店では、受賞決定後の19日夜から20日にかけて受賞作が好調な売れ行きを見せた。店員の平木順一さんは「このままの勢いだと20日のうちに完売するかもしれない。せっかくの地元生まれの作家なので、他の作品も取り寄せて特設コーナーをつくりたい」と話した。